大型店進出による地元商店街に対する影響

 

04/7/04 卒論指導

菊地史子

1)商店街の実情を知る

 

 中心市街地の空洞化ということは、実際にどういうことなのかを商店街の人々(オリオン通りとユニオン通り)に直接話を聞きたいと思う(方法、店舗数は検討中)。今まで、この言葉を使ったり、様々な数字を比べたりして数字の上では、「空洞化」ということを理解しているつもりなのだが、実際に話を聞きに行くことによって、そのことに直面している人々はどう感じているかなどを、学生の目線から感じたいと思ったからである。そして、そういったことから得られる結果を中心に、卒論を書いていきたい。

 

聞きたい項目

     いつごろから店をやっているか

     どうしてここに店を出そうと思ったか

     商店街は変化しているか

→どのように?往来の増減、客層など

     大型店(西武や東武、パルコ等)の進出や撤退による商店街の対応

     店同士の交流、商店街全体での協力があるか

     イベントなど誰が取り仕切っているか、それに対してどう思うか

     今の商店街の様子に対してどう思うか

     なにかやるべきことややりたいことはあるか

→そういったことがあるとき、誰が活動を始めるか、中心となる組織などありそうか

     役所に対し、やってもらいたいことや改善してもらいたいこと

 

など。他にもこんなことを聞いたらどうかなど意見を言ってもらえるとありがたいです。

 

2)成功している名物商店街を知る

・商店街振興組合静岡呉服町名店街

「一店・逸品運動」に商店街で取り組む

静岡駅からほど近い「静岡呉服町名店街」は、古くから城下町として栄え、近年は商店街にある各店が優れた商品・サービスを持つ「一店逸品運動の街」として有名な商店街である。個店の原点は商品にある。商品を良くしなくては、店も商店街も良くならない。それが現在の呉服町の「一店逸品運動」の考えの原点となっている。

逸品の掘り起こしと新逸品の開発

@ 楽しみながら逸品を勉強

活動を始めるにあたっては、まず商店街全店に、「一店逸品運動」というのをやるから是非参加してください、と呼びかけた。ところが自主参加店はゼロ。皆にしてみれば、何をやるかも得するか損するかもわからない。そんなものに時間を割いて出ようという人は当然いない。

 けれども、自分の店が得するにはどうすればいいかは、どの店も考えている。それが商店街活動の基本であり、「得するよ」というと皆が参加する。

 会合の参加者の集め方、進め方に秘訣が

 人が人を誘うという、形よりつながりを持つ参加者。最初は56人。

会合の進め方は、まずコンサルタントが、「あなたが逸品だと思うものを皆に紹介しましょう」という宿題を出す。皆で自分の気に入っているものを持ち寄って自慢する。わざわざ人に紹介するために買ってくる。美味しい食べ物や飲み物が多く、それが楽しみで皆が参加する。「逸品」とはどういうものかということもわかった。
 商店街の会合というのは、集まっても商売に関する具体的な話しがないことが多い。けれどもこの集まりは「商品開発」にからむことなどもあり、当然商売の話しが出る。人のお店をのぞけるような面白味もあったという。

A 「本当の逸品だけ」のチラシの完成

一店逸品運動の成功には、この時のチラシの「掘り起こしの内容」に非常に大きな意味があった。ここには「うちの店はこれを出したい」というような各店が希望する商品は載せず、第3者であるコンサルタントが客観的に見るなどして、本当に優れた商品が掘り起こされた。

静岡呉服町名店街のような商店街をつくるためのポイント

@ 運動を引っ張るリーダーの存在

 呉服町の一店逸品運動の成功を見ると、3人のリーダーの存在が大きい。
 通常の商店街活動は昔からの「商店主」クラスが頑張るという感じがあるが、従業員や奥さんが社長やご主人に言われて出てくる方が真面目に参加する。その後、一店逸品以外の呉服町の様々な委員会活動にも商店街活動経験のない人が入るようになり、「呉服町の人材の底辺が大きく広がった」(大村理事長)。このように商店街の既存のカと新しいカが組むことで、運動は着実に推進されていったのである。

A 「1人のカより皆の力」が発揮される多業種交流

 呉服町の一店逸品委員会では「同業も拒まず」という姿勢であり、様々な業種の店が集まることの意義や効果は大きい。
B マスコミを利用した逸品が売れる仕掛けづくり

 呉服町では、30万枚のチラシを撒くだけでなく、初年度にマスコミにも徹底して働きかけた。放送局や新聞社に通知を出し、逸品を全部持って記者発表をして記事にしてくれるように頼んだ。フェアの当日は静岡のテレビ・新聞が全て取材に来てくれた。これは広告ではないパブリシティなので、費用はいらない。以後も、年一回チラシを出す前に必ず記者発表をしている。
C 行政の柔軟な意識

 自分の店だけで逸品開発をするのはさほど難しくないが、商店街がやろうとすれば、人も資金もかなり必要になる。一店逸品は個々の店の商品を良くするという運動で、本来ならば国は個人の店を良くするために金を出さない。担当者によっては「出さない」という人もいそうだが、県の商業振興室の担当者は最初から「一店逸品運動」を理解し、補助金を出してくれた。

 もっとも、活性化基金の補助金を受けるには「運動」(啓蒙活動)ではだめで、何か「実験的事業」をやり、報告書をまとめねばならない。そこでチラシに併せてフェアをした。

 静岡市では呉服町にちなみ、平成8年度に「一店逸品運動推進事業補助金」を創設している。

D 「一店逸品」はイベントでなく運動である

 「一店逸品運動」とは、本来自分の店だけのいい商品・いいサービスをつくっていこうというものである。たまたま呉服町は商店街でやりはじめ、大変な部分もある反面、成功して非常に大きな成果が得られた。けれども、「全国から視察に来ると、全店が協力して盛り上がっていると思われがちだけど、少しずつ理解者を増やしている。そんなに全店で盛り上がっているわけではない」(池田委員長)と言う。

 商業者の中にも、「一店逸品運動」をフェアやイベントだと思っている人は非常に多い。しかし、一店逸品は一過性のものではなく、あくまで永続性のある啓蒙活動なのである。

 呉服町でも、最初は商品・サービスの開発が主眼だったが、今は商売熱心でない人たちの目を覚ます運動だと認識している。商品開発などできないと思っていた店が、「うちもやれば出来るじゃないか」と思うようになることに意義があるという考えである。

 商店街にある全ての店がそこにしかないものを持ち、独自にお客を集められるようになれば、何も怖いものはない。常に大型店の出店問題などの危機感がある中で、「自力でお客を集められる店」がまとまって「自分たちの本拠地を守る」。それが商店街の理想の姿なのである。

 

http://www.syoutengai.or.jp/genki/shizuoka/gofukumachi/gofuku.htmlより抜粋

 

今回、例に挙げたのは静岡県だったが、栃木県をはじめ、他県も調べてみたいとおもう。全国の様々な事例を見ていると、まだまだ宇都宮市の商店街に必要で出来そうなことはありそうである。

 

参行URL

大阪産業振興機構「小売商業活性化相談事例集」

http://www.mydome.jp/enterprise/shien/retail/005/q_a_6.html

全国商店街振興組合連合http://www.syoutengai.or.jp/